【遊び心 ②】エンドパーツがキャラに!?ブロッコリー星人とまるちゃんズ
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▶ 【遊び心 ②】エンドパーツがキャラに!?ブロッコリー星人とまるちゃんズ
エンドパーツの活用から生まれた、小さな人形たち。
思っていた以上に反響をいただき——
まさかの続編です。
今回も登場するのは、PARACOの小さな仲間たち。
マスコットの「まるちゃんズ」と、
ちょっとだけ不器用で優しい「ブロッコリー星人」です。
そして今回、彼らの物語は少しだけ動き出します。
【ブロッコリー星人とまるちゃんズ】
まるちゃんズは、今日も仲良しでバーベキューをしています。
……いや、正確に言うと、エンドパーツとパラコードで構成された生命体たちが、バーベキューをしています。
焼かれているのは、パラコードの端切れ。
なぜか全部、野菜と肉に見えて、普通に美味しそうです。
キャンプファイヤーもあります。
もちろん本物ではありませんが、見た目はやけにリアルです。
——この世界では、「それっぽければ成立する」のです。
そんな平和な時間の中、
ひとりだけ、その輪に入れない存在がいます。
後ろからそっと覗いている、ブロッコリー星人。
今日も、声をかけるタイミングを失っています。

ブロッコリー星人には、夢があります。
同じパラコードで作られた存在として、
いつか、まるちゃんズの輪の中に入ること。
ほんの少しでいい。
あの丸い形になれたら、きっと——自然に笑ってもらえる気がする。
「もし、僕も“まるちゃん”だったら……」
そう思って、頭の中で自分を丸く整えてみる。
足も、バランスも、ちゃんとそれっぽく。

……でも。
すぐに分かってしまう。
同じパラコードでできていても、自分は“まるちゃん”にはなれない。
結び方も、形も、最初から違う。
「どうして、僕だけ……」
小さくつぶやいて、視線を落とした、そのとき。
——ふと、見覚えのある柄が目に入った。
「……ん?」
あれ?
あれれれ?

なんと。
あのまるちゃんは、
ブロッコリー星人と“まったく同じ柄”でできていた。

「皆さん!お待たせしました!」
ブロッコリー星人と同じ柄のまるちゃんが、
まるちゃんズに向かって元気よく手を振りました。
「ミドリちゃん!待ってたよ!」
「早くこっちに来て!」
名前まで呼ばれて、すぐに輪の中へ。
どうやら、ずっと前からの友達みたいです。
——いいなぁ。
ブロッコリー星人は、少し離れた場所から、その様子をじっと見つめていました。
同じ柄。
でも、あんなふうに自然に笑ってもらえる存在。
羨ましい。
……でも、少しだけ、嬉しい。
「いいなぁ……僕も、あの子と友達になれたら」
そう思った瞬間、頭の中にもうひとつの景色が広がります。
——ふたりで、パラコードのリースに腰かけて。
結び方の話をしたり、端材で小さなものを作って交換したり。
『これ、僕が作ったんだ』
『じゃあ、今度は一緒に作ろうよ』
……そんなやり取りが、自然に続いていく。

——なんだか、とても楽しそうです。
……よし。
ブロッコリー星人は、小さく息を整えました。
もう、覗いているだけはやめよう。
同じパラコードでできた仲間。
しかも、同じ柄。
きっと——話しかけてもいいはずだ。
「でも……」
一歩踏み出しかけて、足が止まります。
「僕、まるちゃんじゃないし……いきなり声をかけたら、びっくりされるかもしれない」
どうしたらいいんだろう。
ブロッコリー星人は、その場で立ち止まり、
いくつかの“作戦”を考えはじめました。
【作戦一、パラコードで作った花をプレゼント!】

【作戦二、一緒にパラコードでピアスを作る!】

【作戦三、パラコード製オニヤンマで登場して勢いで言う:「僕の友達になって!」】

「……いや、待って。作戦三は違う。」
明らかに違う。
方向性が、根本から違う。
「ここは、やっぱり作戦一かな……」
ブロッコリー星人は、小さくうなずきながら、もう一度頭の中でシミュレーションを始めました。
——花を渡して、
「これ、よかったら……」って言って、
それで、少し話せて……
……いけるかもしれない。
そう思った、そのとき。
「こんにちは!」
——後ろから、声。
「アナタは、ブロッコリー星人ですね?」
「!!」

「え、え? そ、そうだけど……あの、き、君は……?」
ブロッコリー星人の声は、思った以上に震えていました。
「大丈夫、そんなに緊張しないでください」
目の前のまるちゃんは、やわらかく笑います。
「私の名前は、ミドリハナヤサイ。“ブロッコリー”の和名です。ミドリって呼んでね」
少しだけ近づいて、続けました。
「ねえ、ブロッ君って呼んでもいい?」
(後ろでは、まるちゃんズがこっそり様子を覗いている)
——ブロッ君。
その呼び方に、胸の奥が少しだけ軽くなった気がしました。
……でも、その前に。
ブロッコリー星人の視線は、ミドリハナヤサイの“手元”に釘付けになります。
「それ……!」

「ユーティリティコードのキーホルダー……?」
思わず、声が上ずりました。
「うん。二重リングとパラコードと組み合わせてみたの」
ミドリハナヤサイは、少しだけ得意そうに笑って、
それをそっと差し出します。
「よかったら——友好の証に」
「……え?」
「ブロッ君に、受け取ってほしい」
その言葉と一緒に、キーホルダーが手の中に置かれました。
軽いはずなのに、
なんだか、すごく重たく感じます。
「私だけじゃないよ」
ミドリハナヤサイが、後ろをちらっと見ました。
「あそこにいる、まるちゃんズも——みんな、ブロッ君と友達になりたいって思ってる」
(後ろで、全員がわくわくした顔でこちらを見ている)
「えっ……!?」
ブロッコリー星人の頭は、真っ白になりました。

「でも……ミドリちゃん……」
ブロッコリー星人は、まだ少しだけ不安そうに、声を落としました。
「僕は……まるちゃんじゃない。それでも、その……友達に、なってもいいの?」
ミドリは、少しも迷わず、やわらかくうなずきます。
「ブロッ君。たしかに、形は違うよ。でもね、同じパラコードで作られた“仲間”でしょ?」
そう言って、そっと手を上げました。
「それに——見て」

「ブロッ君の手、ピースしてる」
ミドリも同じように、ピースを作ります。
「私もだよ」
少しだけ、いたずらっぽく笑って続けました。
「形が違っても、“ピースだ”って思ったら——それはもう、ピースでしょ?」
「……あ」
ブロッコリー星人は、自分の手を見つめました。
ずっと、違う形だと思っていた。
でも今は、同じ意味に見える。
「それにね」
ミドリは、後ろを振り返ります。
「まるちゃんズも、よく見てみて。全員、少しずつ違うでしょ?みんな違うから、面白い。みんな違うから、それぞれ特別なんだよ」
もう一度、ブロッコリー星人に向き直って——
「ブロッ君も、そのひとり」
「ミドリちゃん……」
胸の奥にあった、重たい何かが、すっと軽くなりました。
「……ありがとう。僕、とても嬉しい。友達に……なりたい。みんなと!」
「もちろん!」
ミドリは、ぱっと笑顔になります。
「さあ、一緒にバーベキューしよう」
——その一言で。
ブロッコリー星人は、自然と輪の中に入っていました。
キャンプファイヤーのそばで笑って、ときどき踊って、また笑って。
いつの間にか、すっかり“仲間”になっていました。
「ね、みんな!写真を撮ろう!」
ミドリは、てきぱきとカメラを設置しました。

「ブロッ君、真ん中ね!」
「は、はい!!」
「タイマー押したら、すぐ来てね!」
「はーい、今行きます——」
——その瞬間。
ソッ。パタン!

……風だけが、通り過ぎました。
全員:「え?」
たった今、何かが横切った気がする。
金色と、銀色。
パラコードで編まれた、やけに完成度の高い二頭の馬が、
ものすごい速度で——
……ミドリを連れていった。
一瞬すぎて、誰も止められなかった。
全員:「ミドリちゃん!!」

《続く...》
パラコードは、ただのロープではありません。
結び方ひとつで、性格が変わり、
組み合わせひとつで、物語が生まれます。
まるちゃんズも、ブロッコリー星人も、
そして突然現れた金馬と銀馬も——
すべて同じ素材からできています。
違うのは、ほんの少しの発想だけ。
……ところで、ミドリちゃんは無事でしょうか。
続きは、また次回。
あなたのパラコードからも、何かが始まるかもしれませんね。